第二話「いたずら」
ガラガラガラッ!
何かいろんなものが落ちてきた。
上を見ると、あ‘っピーブス!!お母さんが言ってたポルターガイストだ。
あのころは「血みどろ男爵」っていうゴーストと、お父さんとお母さん、それにおばあちゃんがピーブスを抑えることができたらしい。
おじいちゃんはお仕事。
あっ、マクゴナガル先生が来た。
「ピーブス!おやめなさいっ」
「ケケケッやーだよっ今は男爵様だけであのレイラとオルトとキレイラ先生もいないもんな〜。あの三人はきつかったぜ〜」
「ピーブス、その余裕も今のうちよ。レイラとオルトの娘でキレイラの孫であるサラ・アリッシアが今日入学したわ」
ピーブスの動きが止まった。その顔からは恐怖がにじみ出ていた。
いったいお母さんとお父さんはピーブスに何をしていたのかしら?
--------と、上からまた大きいものが落ちてきた。私はとっさに杖を取り出して呪文を叫んでいた。
「エクスペクト・ペトローナム!!(パトローナスよ来たれ)」
杖の先から銀色の龍が飛び出した。
ピーブスはその威圧に押され、逃げていった。皆がサラの方を見ていた。
「どこで覚えたのです?その魔法。しかも、とても素晴らしいパトローナスをつくっていますよ。とても大きな龍を」
とても嬉しそうなマクゴナガル先生。
そりゃ、入ったばかりの一年生がこんな高等な魔法を使えるんだもの。そりゃ嬉しいさ。
「えっと、おじいちゃんが闇払いでよくアズカバンに行ってたんで、吸魂鬼(ディメンター)にあうと危ないからって、
おじいちゃんが教えてくれたんです。この他にもいろいろありますよ」
おおおーーーーっと声が上がった。
サラが今しがた、下の階の階段を通過中のドラコの方を見ると、なんとピーブスがまた性懲りもなく
ドラコに向けて何か大きなものを投げようと構えていた。
「ちょっピーブ・・・・!?」
叫ぼうとした時にはもう遅し。
すでにピーブスはその大きなものをドラコに向けて投げていた。サラはとっさに大声で・・・・
「マルフォイよけてぇーーーーー!!!」
「え?−−−−って、うわっ」
ドッガーン!
・・・階段には大きな穴が・・・;
幸い、サラの大声で怪我人は一人もいなかった。
ピーブスは私がサラ・アリッシアだと分かったらしく、何も言わずに逃げていった。
先生方が来て階段を元に戻していた。マルフォイとは目が合わなかったけど、まあいいか。
★●★●★●★●★●
一時間目は魔法史の授業だった。
ゴーストのビンズ先生は、長々と説明を続けている。
ただ、授業の始めにアルベリック・グラニオンという蛙チョコのおまけカードになっている有名な魔法使いについて生徒に質問し、
サラが完璧に答えられたことでグリフィンドールに20点入れてもらえた。
アルベリック・グラニオンについて説明するのはとても困難であったらしい。
あのハーマイオニーでさえ、手を上げなかったほどだ。
次は魔法薬学で、サラの得意な教科であったが、出られなくなった。
なぜかマルフォイといっしょに-----------------.
時は少し遡って授業前の休み時間。
サラはハーマイオニーたちと一緒に魔法薬学の教室へと向かっていた。
階段にさしかかった時、後ろから誰かに押された。しかも思いっきり。
「きゃあっ」
「「「サラっ!!」」」
三人が叫ぶ。
その後、ハーマイオニーはスリザリンの一人の女子と何かしゃべっていた。
下には------げっマルフォイっっっっ!?
[!?アリッシアっ」
マルフォイの右手が伸びてきてそのまま二人で転落------・・・・・。
マルフォイは背中を打って動けなさそうだし、私はマルフォイが落ちるショックをやわらげてくれたから、
足をくじいただけなんだけど・・・・・痛い;
「「サラっ!大丈夫!?」
ハリーとロンが下りてきた。
「へへ、大丈夫。
あ、スネイプ先生に、マルフォイと私は階段から転落したので、この時間は医務室に行ってますって言っといて。
あ、ハーマイオニー!」
ハーマイオニーが上からパンジー・パーキンソンという女の子を引っ張ってきている。どうしたのかな。
「ちょっと聞いて!パーキンソンったら私の目の前でサラを思いっきり押して落としたのよ!」
「そうなの?」
マルフォイは唖然として突っ立っている。
私は立てません。足くじいてるもんで・・・・;
「おい、パーキンソン、お前がやったのか?」
「あ、私はアリッシアだけをやろうと思ってて、ねつにドラコをどうこうってわけじゃあ・・・」
「僕が言ってるのはアリッシアが僕にぶつかった事じゃないっパーキンソンがアリッシアを突き落としたのかってことを言ってるんだ!!」
ビクッと体を振るわせたパーキンソン。
こくっと頷いて行ってしまった。
その後、ハーマイオニー達も、授業に遅れるから行ってしまった。マルフォイは方向を変え、医務室に行こうとし、私の方をみた。
「行かないのか?医務室」
「え”?あー-------足をくじいてしまって・・・・・えっーと、立て・・・・ないんっすよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハァ」
あ”−何んか長い溜息ねえ。悪かったわね。−−−−−−うわっ
「じっとしてろ。重い」
「う”・・・・・」
マルフォイは私をおぶって医務室へ向かっていた。
中に入るとマダム・ポンフリーは信じられないとでもいいたそうな顔をしていた。
・・・・そりゃあスリザリンの、しかもマルフォイが、グリフィンドールの、しかもかの有名なこのアリッシアをおぶってくるんだもの。
「どこですか?怪我をしたのは」
「あっ私の左足首と、マルフォイの背中です。私が誤って階段から落ち・・・・」
マルフォイが私の口を手で押さえた。
「違います。スリザリンの女子がアリッシアがグリフィンドール生という理由で突き落としたんです。
それで偶然下にいた僕がとっさに手を出して、そのまま転落したというわけです」
マダム・ポンフリーは怪訝そうに顔をしかめた。
それでも、マルフォイが私をおぶってきたこともあって、少し笑って私達をベットまで連れて行ってくれた。
あの階段は結構長かったから、マルフォイがいなかったら頭割れてただろうって、マダム・ポンフリーが言ったもんだから、私は肝っ玉が冷えたよ;
あとでお礼・・・・(ちょっと気は進まないが)言っておこうかな。
-----------成り行きとはいえ、かばってしまった。
でも、マダム・ポンフリーはそれを悪く思わなかったらしいし、ま、いっか。
ってかカーテンで仕切るのはいいけどさ、なんでアリッシアと僕のベットの間には仕切りがないのさ。(別にいいけど)
「マルフォイ?起きてる?」
心臓が飛び上がった。寝てると思ってたのに、いきなり声出すなよ。
「ああ」
なるべく平常心を保った。・・・・震え気味だったが。
「・・・・ありがとーね」
「は?」
今何て言った?ありがとうって言ったよな?----------何で?僕は礼を言われるような事をやったのか?
そもそも礼だったのか?・・・・いや、ありがとうって言ったら礼しかないか;
・・・・初めて言われたのかもしれない。
「階段で・・・」
「あ"ーーーーー・・・・あれはっ、とさに手が出ただけだ!」
「そ?まあ、いいや」
ち”く”し”ょーっせかく平常心を装ってたのに乱れたじゃーないかーっ(ドラコは心の中でこう叫んでいた)