約束をした。

 

それはかけがえのない約束で、

 

それでいてとても困難な約束で、

 

だけど必ず叶えたいと思った。

 

喜ぶ顔が見たいと思った。

 

けれど、

 

その約束は簡単に破られた。

 

否、破ってしまった。

 

たった一つの命と引き換えに、

 

 

たった一つの約束を。

 

 

 

 

 

 

 

 

シャーマンキング小説
    
る事のない約束

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・葉、五年前の約束、覚えてる?」

アンナは自身に背を向けて、胡坐をかいて座っている葉に問いかけた。

その後ろには、ホロホロ、まん太、ファウスト、竜、チョコラブが同様にたたずんでいる。

「・・・・・・・・ああ、覚えてる」

葉は背を向けたまま答える。

普段となんら変わりなく聞こえる口調。

「破ったわね」

「・・・・・・・・すまん」

ホロホロ達からは二人の表情をうかがい知る事はできない。

だが、その様子が容易に想像できてしまった。

「・・・・・・まあ、いいわ。

それがあんたの決めた道なら、私は何も言わない。

この道を選んだという事は、あんたのわがままに過ぎないんだからね」

「へへっ、ああ、そうだな。

これはオイラのわがままだ」

二人の会話を聞いていた五人だが、その会話に違和感を覚えた。

わがまま?

蓮を救うために己の夢を諦めた葉を、その行為を、わがままだと言うのか?

「ちょ、ちょっと待ってよアンナさん。

葉くんはシャーマンキングになるって言う夢を諦めたんだよ?

それをわがままだなんて酷すぎるよ!」

まん太が思わず声を上げた。

いつもならアンナが鋭く睨んでビンタをくらわすはずなのだが、今日は違った。

思わず構えていたまん太が驚いたように顔を覆っていた腕を下ろす。

ホロホロや竜も驚いたように呆けている。

「アっ、アンナさん?」

「・・・・・・・・・・これがわがままじゃなくてなんだって言うの。

いつ蓮が生き返らせて欲しいなんて願ったの?

蓮は始めから死ぬつもりで、よけられるものにわざと刺された。

そんなやつをどうして助けなくちゃいけないの?

死ぬつもりで刺されたやつを助けて得られるのは自己満足だけよ」

アンナの言葉は崖の向こう、穏やかな波に呑まれて消えた。

辺りは騒然となる。

アンナの語る、その一言一言が事実だと、誰が信じようか。

否、信じたいと思うものがどこにいようか。

誰もが願っている事は「蓮に生きて欲しい」なのだから。

たとえ、それが蓮の望みではないとしても。

蓮に辛い思いをさせようとも。

だからアンナは、葉を「わがままだ」と評するのだ。

「・・・・・・・・だけどな」

突然、葉が語りだした。

自然と全員の視線が葉に集まる。

「それでも、生きててほしいんよ。

生きる事がどれだけ辛くても、生きているから嬉しいとか、悲しいとか、

辛いとか、そういう思いを感じる事ができるからな」

振り向いた葉は笑顔だった。

 

 

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あとがき

  すいません、わけわかんないですよね。
  つまり、葉は蓮に生きてて欲しかった、と。
  原作とかなり食い違ってますが、まあお気になさらずに←おい
  そもそも、蓮が死んだ時にホロホロが葉達と一緒にいること自体間違いなんだってば。
  ヒカリ風サマ、こんなんで本当にスミマセン・・・・。
  もう、言葉もないです。
  よろしければ貰ってやってください。

  ※この作品はキリ番255を踏まれたヒカリ風サマに捧げさせていただきました。

 

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