ねえ、私たちの姿、どう見える?

姉弟?

友達?

親子?

 

ねえ、私たちは・・・・恋人同士には見えないの---------------------------

 

 

 

 

 

 

姿の意味

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・やっぱり画になるわよねぇ・・」

ポツリと呟かれた蓬華の一言。

今蓬華は朱雀と天一を前に、寝そべりながら両肘をついていた。

「・・・・・・・・・・は?」

何をいきなり、とでも言うように目を丸くしていた朱雀がやや間をおいて声を上げる。

朱雀の隣にたたずんでいる天一は黙って首を傾げている。

「あんた達が画になるって言ってるの。ああそうよ、認めたくないけど認めるよ。

本当に本当にかわいいかわいい私の天一が朱雀と画になるなんて認めたくないけど、認めなくちゃいけないのよ!!」

がばっと飛び起き、目をつむって力説する蓬華に、朱雀は不機嫌丸出しの表情をする。

「誰がお前の天貴だ!!いったい何が言いたいんだ、お前は。嫌味か?褒め言葉か?」

「褒めてんのよ。あんたたちは年の頃も近い人型とってるし、天一より朱雀の方がだいぶ背高いし、天一かわいいし」

褒めながらも、「天一かわいい」と言う一言だけはしっかり入れる蓬華であった。

そんな蓬華を見つめていた天一が、その美貌を多少歪ませながら口を開いた。

「それは・・・・・・・玄武のことを言っているの?」

うっと蓬華は言葉を詰まらせる。

どうやら図星だったようだ。

天一は少々ためらいながらも口を開いた。

「そんなに気にしなくてもいいと思うわ。大事なのは気持ちじゃないかしら?」

「でも・・・・・・私と玄武が並んだら、どう見える?

天一と朱雀みたいに、ちゃんと恋人同士に見える?

とってる人型もだいぶ年が違うし、背だって私の方が高いし・・・・・」

蓬華の声は次第に小さくなってゆく。

それと共にだんだんと視線も下がり、俯いてしまった。

さすがの朱雀も苦い顔をしている。

「見かけの問題じゃないだろう?だいたい、蓬華と玄武のことは皆知ってるじゃないか」

「でも・・・・でも・・」

口ごもる蓬華に、天一は優しく微笑みながら声をかける。

「どうしても気になるなら、一度玄武と二人で話してみた方がいいんじゃないかしら?

私たちよりも、玄武の方がきっといい答えをくれるはずよ」

「・・・・・・・・・・・分かったわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

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「・・・・・・・・元気がないと思っていたらそんな事を気にしていたのか」

屋根の上に座っている玄武は、腕組みしながら呆れた風情で傍らに腰かけた蓬華を見つめていた。

「そんな事って何よ!私にとってはすっごく重要なのよ!!!」

蓬華はむきになって言い返す。

こういうところは太陰を思い出すな、と蓬華の言葉を聞きながら玄武は思った。

「・・・・・・・・・・・蓬華、お前は人目が大事だと言うのか」

「・・・・・そういうわけじゃないけど・・・でも気になるの。・・・・・・・・ちゃんと恋人同士に見えてるかって・・・・・・・」

盲点だった。

まさか蓬華がここまで見かけを気にしているとは思っていなかった。

もっと気にかけてやるべきだった。

玄武は口の中でちいさく舌打ちした。

「・・・・・・・・蓬華、お前が望むなら我はいくらでも別の人型をとろう。

それがお前の望みか?」

「!?ちがっ・・・」

「そうだろう?今はっきりと自分で口にしたではないか。

おまえ自身、自分でも気づかない所で見かけのことなんてどうでもいいと思っている。

違うか?」

蓬華は真剣な眼差しを向けてくる玄武を目を見開きながら見つめた。

蓬華の心の変化を感じ取って舞っていた風が落ち着きを取りもどす。

「・・・・・・・そっか。そう、よね・・・・・」

どうして気づかなかったのだろう。

たとえどう見られようとも、心は変わらず、小さな恋人を想っていたというのに。

「蓬華、見かけなど気にならないほどに、我はお前を思う。

それはお前とて同じだろう?」

玄武は優しく微笑んで蓬華を見つめる。

蓬華は大地の美しさを閉じ込めたかのような瞳で玄武を見つめながら、共に笑った。

久しぶりに見る、心からの笑顔だった。

 

 

「うん」

 

 

 

 

 

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あとがき

  ごめんなさい。すみません。
  もう言いようがありません・・・・;
  せっかくキリ番でリクしてくださったと言うのに、こんなくだらないもので本当にスミマセン・・・;
  玄武と一緒に居て一番気になるのはやっぱり身長かな〜〜それとも年かな〜〜
  なんて考えながら書かせていただきました。
  坂月サマ、本当にすみません・・・・。
  こんなんでよければ貰ってやってください。
  お粗末!!!

 

  ※この作品は1288を踏まれた坂月サマに捧げさせていただきました。

 

 

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